色々ちゃんとしてない
なぜか異世界に迷い込んだアラフォーが、なぜか異世界でも使えるAmazonで買った商品を転売して金を荒稼ぎし、なぜか次々惚れてくる股ゆるヒロインたちと裏でヤりまくる。
監督 夕澄慶英!
原作 朝倉一二三、うみハル
アニメーション制作 イーストフィッシュスタジオ
アラフォーが異世界に来ただけ
主人公は38歳アラフォーのケンイチ。
現実世界で絵描きの仕事をしながらスローライフを送っていたけど、
突然異世界に転移させられる。
これが本当に唐突。
何か使命が与えられるわけでもなくいきなり異世界の森の中に放り出される。
だいたいの異世界ファンタジーは世界を救う使命を託されたり、
女神の手違いで異世界転移しちゃいましたみたいな、
ある程度の理由や経緯が最初に説明される。
しかしこのアニメは一切ない。
アラフォーが異世界に来たという事実のみ。
チート能力は通販とアイテムボックス
異世界に来てすぐにチート能力が使えることに気づくんだ。
それが通販とアイテムボックス。
よくあるステータスウィンドウが現れ、異世界にいながらお金と引き換えに現実の物資を買うことができる。
アイテムボックスでは異世界の物資を現金に換金することもできる。
金貨1枚20万円とか。
今のレートだと40万くらいになりそう。
開幕数分でタイトル回収が完了した。
このアニメはアラフォーのケンイチが異世界で通販を使って、
理想のスローライフを目指す話となってる。
スローライフを目指す中で様々な人と交流したり、トラブルを解決していくことになる。
現実でスローライフしていたおっさんが異世界でスローライフを目指す
現実でスローライフを送っていた人が異世界でもスローライフを目指すという、
全くワクワクする要素のない目標が設定される。
しかし序盤はちょっとおもしろいと感じる話もある。
通販で買ったものを異世界の低文明の奴らに高額で売りさばいて金を稼いでいく。
ただの洗濯バサミや安物のアクセサリーも剣と魔法のファンタジー世界の住人からすると、
珍しく高級なものにみえるので高値で買ってくれる。
異世界通販じゃなくて異世界転売ヤーって感じ。
しかしすぐにこのアニメのダメな部分がみえてくる。
シナリオや設定が薄っぺらい、アラフォーに惚れまくる股ゆるヒロインたち、必要性も意図もわからない謎のセリフ、シンプルに作画が悪いなどなど欠点が目立ち始める。
最初に転売で稼いでるあたりは多少の面白さも感じたけど、商売人としての要素も飯テロ要素も全て中途半端になってる。
目標のスローライフもすぐに達成される。
物語の主軸というものが存在しない。
思いついた話を次々こなしていくだけという印象。
作画?あいつなら死んだよ
一応スローライフ計画を進めるだけじゃなく、
異世界っぽいエピソードもある。
大商人の娘が盗賊にさらわれたのを助けに行く話。
トラックの荷台に協力してくれる騎士や獣人を載せて盗賊の根城に向かう。
文章だと絵ずらが想像しにくいけどがんばって想像してほしい。
今後も普通に自動車に乗って移動する。
ちなみにトラックについては周りに鋼鉄の召喚獣とか適当なこと言って誤魔化してる。
盗賊のアジトを襲撃するのがこのアニメ初の戦闘シーンだけど作画は死んでる。
動くには動くけど紙芝居の方が良かったと思うレベル。
主人公は通販で買った重機に乗って戦う、重機はCGなのである意味このアニメで一番動くし一番安定したデザインになってる。
今後もモンスターやドラゴンと戦うときは必ず重機に乗る。
盗賊との殺し合いというシリアスな場面のはず、しかしケンイチは笑顔で重機を召喚し暴れまわる。
現実ではスローライフを送っていたただのアラフォーが、
楽しそうに戦う姿には違和感しかない。
異世界人からみたらカッコイイ!スゴイ!と思うのかもしれない。
しかし現代人の我々からしたら重機を操縦してる陽気なおっさんだ。
謎呪文
重機を召喚する場面が多数ある。
召喚する際には必ずふざけた謎セリフを唱える。
盗賊と戦ったときは「ケンイチいっきまーす」
とガンダムのパロディらしきセリフを決めてから重機を召喚する。
これはまだいい。
洞窟で巨大なクモと戦う場面では、「夜通し物干し半殺し、梅子に栄一柴三郎、わが声にこたえてその巨体を顕現せよ!」
と真剣な表情で唱え始める。
もはや意味不明だ。
重機を召喚するのに必要な呪文というわけでもない。
かっこいいわけでも笑いを巻き起こすわけでもない。
滑り散らかしたおやじギャグを目撃してしまったような、
共感性羞恥というデバフを視聴者に与えてくる。
するなら堂々とセッ〇スしてくれ
謎セリフもあって主人公にまったく魅力を感じない。
活躍はほぼ通販によるものだし、仲良く交流していた人たちに一言も告げずに別の街へ引っ越すくらい薄情。
良いところと言えば声優が諏訪部順一さんということぐらいの主人公。
しかし魅力がなくてもなろう系らしくハーレムが形成されていく。
ヒロインは巨乳美女、幼女、ネコミミ、人妻と欲張りセット。
中年の脂ぎった妄想かとツッコミたくなるくらい節操がない。
惚れる理由もよくわからないうちに股を開くスピードスターなヒロインたち。
ハーレムものと言えばヒロインのちょっとエッチな姿などセクシー描写がお約束だ。
しかしこのアニメにサービスシーンはほぼない。
代わりというわけでもないが「あっ、セッ〇スしたんだな」と察せるシーンがある。
隠れたところでヤッてたんだなという変に生々しい描写がある。
するなら堂々としてほしい。
普通にヒロインのサービスシーンとかにしてくれた方いい。
隠れてヤッてましたというアピールが誰得なのかわからない。
少女の生理を祝う狂気
他にも生々しいというか気持ち悪いシーンがある。
盗賊から助けたアネモネという少女を育てることになる。
将来はケンイチと結婚するとませたことを言っていて、
それをケンイチは父親目線で子供の戯言だと思って聞いてる。
このままなら微笑ましいだけなんだが、アネモネに初めて生理がきたのを祝うシーンがある。
もう笑えない。
引き取った子供の生理を祝うアニメを初めて観た。
他は全てはいいかげんなクセに、性関連だけは生々しい。
総評:全てが中途半端な妄想の世界
すべてが中途半端。
ゆえにアラフォーの妄想をそのままアニメ化したような薄っぺらい内容になってる。
シナリオは徐々に規模の大きな話にはなっていく。
盗賊退治に始まって、最後にはドラゴンと戦ったりもする。
でもやってることは結局一緒で、重機に乗って意味不明なセリフを吐きながらショベルで粉砕するだけ。
転売、料理、工事、戦闘、飽きがこないよう色々なことをやってはいる。
しかし全ての物語が中途半端で薄っぺらい内容ばかり。
チートスキルの通販も現実の通販よりも品ぞろえ凄すぎて、
通販の枠超えちゃってる別の何かだ。
重機とか通販で買えないでしょ普通。
ヒロイン関連もおっさんの妄想全開な都合のいい女ばかりで、
なんとも言えない気持ち悪さを感じてしまう内容だった。
後半に登場するヒロインなんで登場して数分後に股を開く勢い。
料理を振る舞う場面は結構あるので飯テロ要素もあればよかったのだけど、
料理の作画もうまそうに見えないので本当にいいところがないアニメだった。