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ハガレン超え?「いずれ最強の錬金術師?」感想レビュー

1.0
アニメレビュー

異世界勇者召喚に巻きこまれてしまい、元の世界にも帰れなくなったアラフォーリーマンのタクミは、女神ノルンからお詫びに手厚すぎるサポートを受けることに。地味な生産職を希望したはずが、与えられた錬金術スキルは実はチート級の最強スキルで…?

原作 小狐丸
監督 葛谷直行
アニメーション制作 スタジオコメット

無意味なアラフォー要素

主人公は現代に生きるアラフォーサラリーマン。
近くにいた学生が勇者召喚される際に巻き込まれ異世界に転生することになる。
勇者召喚の儀式は本来女神が固く禁じている行為のようだ。

女神が禁止しているはずの禁術をシドニア新興国という国が行い、
3人の学生+主人公が異世界に連れてこられた。
女神は誤って召喚された主人公を救うために、
主人公を本来召喚される場所ではなく自分の元へ連れてくる。

女神は勇者召喚を二度と行えないように強力な術を発動したようだ。
できるなら最初からやっておけと言いたくなる。
そのせいで主人公を元の世界に帰すことができないという。
異世界に来るときに主人公の元々の身体は消えてしまい魂だけの状態。
元の世界に帰すこともできないので、
お詫びに第2の人生を楽しんでほしいと女神から新しい身体をもらう。

軽いノリで新たなボディーをくれる女神。
新しいボディは17歳の美少年。
身体が若返ったせいか言動も少年のようだ。

快適に過ごせるようにと女神から加護や便利なスキルが詰まったハッピーセットをもらう。
アラフォーサラリーマンという初期設定はもはや片鱗もない。
心機一転すぎる第2の人生が始まる。

ハガレン超え?の錬金術師

この作品のメインは一応錬金術だ。
錬金術は分解→抽出→粉砕→合成→再構成という5つの術が合わさったものらしい。
工程数だけで言えばハガレン越えと言える。
実際に使っている様子は粘土遊びをしているようにしか見えない。

最初はただ手をかざすだけで錬金術を使えてた。
しかしいつの間にか魔法陣を書いたりするようになる。
それっぽく専門知識のようなことをしゃべりながらそれっぽい魔法陣を書く。
おそらく雰囲気づくりだろう。

主人公は街を歩いているとき下水の匂いを感じる。
話によると下水は定期的に浄化魔法をかけて綺麗にしているが、
頻度が少なく普段は汚いまま街の下を流れている。
その話を聞いてか申し訳程度の現代知識、チート魔法、チート錬金術を組み合わせてトイレを作り始める。

本来であればトイレを作るには配管工事など色々必要な工程は多いはずだ。
しかしアニメでは便座の形をした陶器を焼いてトイレに配置しただけで完成した。
トイレってこんな簡単に作れるんだ!すごい!
現代の知識が使われたのはトイレの形だけ。

浄化魔法がかけてあるため排泄物はすぐに綺麗な水と無機物に分解されると説明する主人公。
ちなみに浄化魔法は毒とか呪いとか色々な異常を治したりもできる。
使える人間はかなり少ない希少な魔法という設定だ。

有機物の塊を一瞬で水分と無機物に変えられる奇跡の装置が完成した。
それをみたパペックという商人からぜひ便器を100個作ってほしいと依頼される。
TOTOからスカウトされそう。

奴隷(派遣社員)

便器の制作には大量の魔力も素材も必要。
人手が必要と相談したところパペックから奴隷を雇うことを勧められる。
この世界では奴隷を雇うのは一般的なこと。
この世界の奴隷はかなり待遇がいい、奴隷とは名ばかりの派遣社員のようなものだ。

契約以外の内容を強制させることはできないし、
働きに応じて給金も支払われる。

屋敷の管理と護衛を雇うために奴隷を扱っているムーラン商会に向かう。
本作屈指のセクシー担当である商会の主ムーランと対面。
正直キャラデザで一番気合い入ってるのはムーランな気がする。

この世界の奴隷商人は漏れなく善人だ。
といっても奴隷相は2人しか登場しない。
奴隷を心配したり主が見つからない奴隷を励ましたりしてくれる。
もう保護者にしか見えない。

ムーランの紹介で戦闘力はあるが現在呪いにかかっていて弱体化しているソフィアというエルフを護衛として、マリアという人間の女性を屋敷の管理のために雇う。
ソフィアはかなりひどい呪いにかかっていたが、
なんやかんやで主人公が解呪するので問題なし。

一応ソフィアの呪いを治すために浄化魔法のレベルを上げとして、
自分を毒状態にして浄化魔法を使用することを繰り返したりする。
しかし元々チート能力が多すぎるので別に同情する気も応援する気も湧いてこない。
変に努力シーン入れずにさっさと解呪してくれ。

ソフィアとマリア、偶然仲間にした蜘蛛のようなモンスターなど徐々に仲間を増やしながら人助けやモノづくりを続けていく。

そういえば勇者どうなった?

この世界には主人公の他に3人の勇者も来ている。
現代の学生である男子2人と女子1人。

彼らはシドニア新興国にいる。
シドニアは人間が種族の頂点と考える差別的な国家だ。
獣人など他の種族を奴隷にしている。
この国の奴隷はイメージ通りの奴隷でひどい扱い。

そんなゴミ国家のシドニアに呼び出された3人は勇者ともてはやされながら、
剣術など戦闘訓練をすることになる。
男子2名は洗脳されてしまい善良な少年から立派なDQNに成長する。
女子1名はシドニアの連中を信用しておらず逃げ出す機会をうかがっている。

主人公の物語の合間に様子が映ったりする。
ほぼすべて剣術の訓練シーンしかない。
少しずつ強くなるにつれて勇者の態度が尊大になってくる様子がわかる。
剣術とDQNレベルが上がっていく様子がじっくりと描かれる。
しかし誰もじっくり描いてほしいと望んではいない。

終盤になって主人公と勇者がいよいよ出会うことになる。
勇者のDQN具合から言って衝突は避けられないだろう。
正直この瞬間だけを楽しみに見ていたようなものだった。

冒険者ギルドで偶然勇者と出会ってしまう主人公たち。
勇者はソフィアやマリアの容姿を気に入り強引に自分のものにしようとする。
主人公が警告するが聞き入れるわけもない。

一瞬にして勇者の剣をへし折り、殴りかかってきたもう1人の勇者を地面へたたきつける。
よーし!面白くなってきた!と思ったところで終わる。

他の冒険者たちからの視線を感じ勇者たちはあっさりと引いていく。
あんな横柄な態度だったのに今さら周りの目を気にし始める。
もっと頑張ってほしい。
最後には「その顔覚えたからな」とお決まりのセリフを決めて帰っていく勇者たち。

総評:何も起こらずに終わった。

話の核心部分がほとんど進まなくて退屈。
後半になってやっと悪者であるシドニアという国が動き出す。
そこまではただ異世界で順調に生きている主人公をみるだけの内容。
便器作ったり冷蔵庫作ったり女が増えたりする様子をみせられる。

作画は最低限みられる程度。
戦闘シーンはほぼ紙芝居で退屈だ。
勇者との戦闘シーンでは一応動きはあったが紙芝居にしてくれた方がまだいいレベル。

最後に女神がこの世界の命運はあなたにかかっているとか言い出す。
偶然紛れこんだセカンドライフ楽しんでる人間に世界の命運託すな。

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