エルフが可愛いだけ
このアニメはメインヒロインであるエルフがとにかくカワイイ。
おいしいものを食べて喜ぶエルフがカワイイ。
美しい景色を観てうっとりするエルフがカワイイ。
恥ずかしくて顔を赤らめるエルフがカワイイ。
可愛いと言うことに慣れてしまったらあとは眠気との戦い。
アニメレビューyoutube版
作品情報
原作 | まきしま鈴木 |
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監督 | 喜多幡徹 |
シリーズ構成 | 吉永亜矢 |
脚本 | 吉永亜矢 |
キャラクターデザイン | 平山円 |
音楽 | はらかなこ |
アニメーション制作 | ゼロジー |
製作 | 「日本へようこそエルフさん。」製作委員会 |
放送局 | AT-Xほか |
放送期間 | 2025年1月10日 – 3月28日 |
話数 | 全12話 |
睡眠転移
主人公は20代のサラリーマンだが眠ることで異世界にいけるという特殊能力をもっている。
睡眠によって異世界を行き来できる少し珍しい異世界転移だ。
しかし珍しさと面白さは直結するわけではないようだ。
幼いころからこの能力で異世界を冒険してきたおかげもあり、
1話の時点ですでに異世界に慣れ親しんでいる。
転移できる理由については何も分からない。
序盤で一度マジメに考察する場面があるが、
ちゃんと考えているとみせかけて何も解明されないまま自然と触れられなくなる。
異世界と現実を行き来するための都合の良い設定でしかない。
現実では大人、異世界では少年
主人公は異世界にいる間は少年の姿になる。
現実と異世界でボディーが異なるようだ。
異世界は現実より時間の流れが遅いせいで身体の成長もゆっくりだというそれっぽい説明がされるが別に納得感はない。
異世界に行ってる間は現実の身体は消えるのに、
異世界では別のボディーに憑依していると言われても不自然この上ない。
主人公の姿が大人になったり少年になったりしても特に需要はないだろう。
異世界に長くいても現実ではあまり時間が経過していないという設定にしたかったんだろう。
この場合現実にいる間は異世界ではかなり時間が進んでしまうはずだ。
しかし特別時間が経っている様子はないのでほとんど機能していない設定と言える。
ゆるガバ転移設定
異世界では現実と同じように眠るかモンスターにやられそうなると現実世界に戻ることができる。
また異世界に行くと前回眠った場所または死んだ場所から再スタートする。
異世界に行ってる間、現実の身体はどこにあるのか。
なぜ時間の早さが違うのか、どれくらい異なるのか。
おそらくそんな設定は決まっていないのだろう。
親の顔より観てきたいつものゆるガバ設定なろう系異世界アニメだとわかり少し楽しくなってくる。
1話では異世界に転移したあと元々知り合いだったヒロインであるエルフとダンジョン探索に向かう。
ダンジョンに住んでいた魔導竜というドラゴンを怒らせてしまい炎のブレスの餌食になりそうなところで現実世界に戻ってくる。
その際なぜか一緒にいたエルフも現実に来てしまう。
現実に来たエルフは素っ裸だ。
エルフの裸姿に慌てて裸であることをなかなか告げない主人公となぜか目覚めてもしばらくは寝ぼけて自分が裸であることに気づかないエルフ。
もはや古臭いともいえるラブコメ展開だ。
ファッションセンス
主人公はエルフのために服を買ってくるのだがセンスがおかしい。
ぶっちゃけ女子高生の制服にしか見えない。
ファッションにはあまり詳しくないが奇抜な私服だと思う。
日本に来たばかりのエルフが自分で選んだなら自然だが、
バリバリの現代人である主人公が買ってきたものなのでに少しゾッとする。
あなたの性癖押し付けてませんか?
6話でもエルフが変な服を着ている。
ノースリーブに肩紐付きのパンツをはいているのだが、
肩紐にデカいフリフリがついている。
肩のフリフリで空でも飛ぶきか?
自分のファッション知識が乏しいだけかと疑いGoogle先生に協力してもらったが「パンツ 肩紐 フリフリ」で検索したら子供服で似たようなデザインのものが見つかった。
つまり、普通ってことだな(笑)
ごめんなさいワタシが間違ってました。
でもダサいと思いますその服。
飯テロ
このアニメは食事シーンがかなり多い。
1話のうちに何度も食事シーンが入ることもある。
エルフが日本の食文化を堪能するいわゆる飯テロ要素もあるアニメだ。
食事の作画はそれなりに綺麗に描かれていておいしそうだ。
しかし肝心の食べてるシーンはあっさりしている。
料理のおいしさよりもヒロインを可愛さを表現することに力を注いでいる。
主人公とエルフが日本の文化や食事を楽しむ異文化交流がこのアニメの大部分となってる。
日本語の勉強をしたり、
温泉旅行に行ったり、
カレーを作ったり、
主人公の実家である青森に帰省したりする。
うん!退屈!
ちょっと耳の長い外国人観光客だ。
ファンタジー
異世界では戦闘シーンやダンジョン探索などファンタジーっぽい要素もある。
5話では盗賊から獣人の少年を助ける話がある。
主人公は無限剣士というそれなりにダサい職業名で、分身を作り出したり素早く動けたりするようだが具体的な能力は分身くらいしか説明がない。
分身のことをファーストスキル「ファントム」と説明したり、5話にして急にちゃんとファンタジーをやろうとしてくる。
でもセカンドスキルとかは特に説明されない。
ちゃんとしてそうでちゃんとしてないファンタジーだ。
盗賊相手に軽くイキりながら分身を使って1人ずつ倒していく。
分身して隠れて不意打ち、
分身して隠れて不意打ち、
を繰り返すのでとにかく地味だしかっこよくない。
盗賊の一人が生身で体当たりしてきたのに対し、
主人公は困惑しつつも剣で受けようとするのだが突然何もないところから盗賊の腕に装甲が生える。
主人公は「こいつ、タンクか!」と驚いた様子だ。
そもそもここまですべての攻撃を回避していたのに、不意打ちでもないただの体当たりを真正面から受け止めたのか不可解だ。
「こいつ、タンクか!」というそれっぽいセリフを言うためにあえて攻撃を受けたようにしかみえない。
そもそもタンクという職業もよくわからない。
腕に装甲を生やせる奴はタンクなのか。
戦闘シーンの作画は普通。
メインである現代パートの合間に異世界パートが挟まる形なので全然話が進まずテンポが悪い。
この後新たに発見されたダンジョンを探索したりもするが、
ちょっと入っただけですぐに現代パートに戻ってしまいそのまま青森に帰省してしまう。
ダンジョン探索は放置されたままアニメが終わってしまう。
アニメ全体の6~7割くらいが現代観光になってる。
異世界の話が少し面白くなってきたと思っても一旦現代に帰ってしまい、しばらく戻ることはなく退屈な観光アニメが始まってしまう。
先ほどの盗賊の話も3話で遭遇し丸1話現代観光に使った後に5話で戦闘が再開する。
ヒロインのカワイイ姿を眺めている合間に申し訳程度のファンタジーが挟まってくる。
退屈過ぎて眠くなってきそうだ。
後半になると主人公とヒロインがお互いを強く意識し始め関係が進展しそうな気配もあるが、そもそも第1話から同棲しているようなもんなので遅すぎるくらいだ。
主人公がヘタレ過ぎて関係がなかなか進展しないのも観てて非常にもどかしい。
青森観光
最終2話くらいで主人公の実家である青森に帰省することになる。
実家では祖父が出迎えてくれてエルフと共に温かなひと時を過ごす。
主人公は母親に捨てられて祖父に引き取られた過去があり、当初は全く笑うこともしない子供だったという話を祖父がエルフ聞かせる。
そのころからよく眠っており夢の世界(異世界)に没頭していたようだ。
へ~そうなんだって感じだ。
こちとら1話から楽しそうな様子しか見てないので、昔は笑わない子どもだったと言われてもあまりピンとこない。
エルフと出会ったおかげでたくさん笑うようになったという感動的な話っぽいが経過がなく結果だけ見せられても感動的な気分にはならない。
まとめ:睡眠導入剤
基本的にエルフが日本の文化や料理を体験して、
わーきゃー言ってる姿が可愛いだけのアニメだ。
それ以外の見所がない。
エルフの可愛さに慣れてしまったらあとは睡魔との戦いになる。
盛り上がる場面はまったくないと言っていい。
異世界編で多少興味を惹かれそうな話が始まったりもするが、その後すぐ現実に戻ってしまい再び退屈な観光が始まってしまい異世界の話が進まなくなる。
日本観光も中途半端だ。
観光地を巡ったりはほとんどなく家にいるシーンが多い。
日本へようこそエルフさんというより、日本の飯はどうですか?エルフさんだ。
エルフが日本を堪能すると言うより日本食を堪能するだけと言える。
現実編と異世界編がお互いの進行を邪魔しててテンポが悪くなってる。
序盤ではエルフの可愛さが際立っているが、日本文化に慣れてきたあたりからおいしいものを食べておいしいと言う耳の長い外国人でしかない。
同じことの繰り返しだ。
寝つきの悪い人はぜひ試してみてほしい睡眠導入アニメだ。
薬と違って依存性はまったくない。